なかしましほさんの『まいにち食べたいごはんのようなクッキーとビスケットの本』主婦と生活社 88頁
表紙のクッキーのかわいらしさに魅かれて、思わず買ってしまったクッキーの本。この本のクッキーはバターの代わりに菜種油や太白胡麻油などを使うというレシピです。
自分はバターを使う、使わないにこだわりはなく、美味しければどちらでもOK派ですが、年を重ねるとともに、時々バターや生クリームのお菓子が「重っ…」と感じてしまうことも…。
本には著者のなかしまさんが、体調を崩していた時ご自身が食べられるおやつを探したけれど見つからず、自分で作ることにしたことや、できるだけシンプルな材料でスタートして試行錯誤を重ねた結果、このレシピにたどりついたことなどが丁寧に書かれていました。
本の冒頭に書かれていた『まいにち食べてもからだの負担にならない、ごはんのようなおやつ』が作れるようになったら、またひと味違うおやつの世界が広がりますね。
バターを使わないことで感じられる粉の風味
実際に何種類か作ってみました。作り方はとても簡単なのですが、粉っぽくなってしまったり、焦がしてしまったり、食感がいまいちだったり、なかなか上手に作るのがむずかしい…
オーブンの火加減や焼成時間の調整がうまくできず、フロランタンにいたっては、焦がしすぎて食べられるところが、全体の2割弱くらいしかなかったというトホホな経験も…。
でも何回目かに作った、この“ハニージンジャークッキー”は「噛むほどにおいしい味がするな」と感じました。その頃には家のオーブンのクセや、混ぜ方などもちょっとわかってきたところでした。しょうがの香りと、ザクザクと香ばしい食感、粉の豊かな風味…。たぶんはじめて成功!?したのかもしれません。
油と粉の混ぜ加減がおいしさを左右する
ずいぶん前の記事ですが、ほぼ日刊イトイ新聞『とてもくわしいおやつのレシピ』になかしまさんが、この本の中の“黒ごまスティック“の作り方をとてもくわしくレクチャーされている記事を見つけました。
簡単な作り方の中にも押さえておきたいポイントがいくつかあって、知ると知らないでは格段に美味しさが変わってくるテクニックです。
サクサクに仕上げるには、油と粉を少ない手数でしっかり混ぜ合わせる。つまり“さわり過ぎない”ということだそう。
お菓子でも、お料理でも“さわり過ぎ”って、いちばんやっちゃうところですよね。この記事によると、何度も繰り返し作っていくうちに手がベストな加減を覚えておいしく作れるようになるとのこと。それと焼き加減も大事!少し低めの温度でじっくり焼くと、風味が出てくるんだそう。
この作り方を真似してやってみたところ、以前作ったものより格段に美味しくなりました。このテクニックをマスターすれば、本に載っているどのクッキーももっとおいしく作れそうです。
バターありも、バターなしも、どっちもいい!
バターを使うおいしさ、バターを使わないおいしさ、どちらもいいなあと思います。そしてバターが入っていなくても、素材のおいしさを感じることができる味覚も大切にしたいなと思います。
もちろんバターたっぷりのリッチな味わいも捨て難い魅力。そのときどきの自分のコンディションに合わせたおやつを作れるように、これからもテクニックを磨くべし!ですね。