ひとりぶんが作れるお菓子の本

スパイスカレーで知られる印度カリー子さんの「ひとりぶんのスパイスお菓子」山と渓谷社 2022年 111頁

少なく作れないモヤモヤ感を解消!?

お菓子作りは楽しくて大好きですが、たいてい仕上がりの量は多めで食べ切るのが大変。しかも基本的にシビアな計量が求められるので、初心者が自己流で分量を調節するのはめちゃめちゃハードルが高いですよね。

そもそもレシピどおりやっていても失敗することもあるというのに…

自分も何度か比率計算をして、少なめに作ってみたことがありますが、残念ながらあまりおいしくできたためしがありません。そもそも失敗しているのか、単純に比率計算だけでは解決しない原因があるのかがわからない…

本格的なレシピに挑戦するのもいいけれど、気軽に食べ切れるぶんだけを作って楽しめるお菓子も覚えたいな~といつも思っていました。

そんな時「簡単にひとりぶんってつくれるんだ」と教えてくれたのがこの本。おいしい焼き菓子やプリンなどの冷たいスイーツのほかに、なんと大福やおかきのレシピまで載っていましたよ。

ほど良い量のケーキが焼ける気軽さ

本にはちょうど良いコンパクトサイズのケーキ型の作り方が掲載されています。牛乳パックをちょっと工作して簡単にできる型です。

この型で作ると、1度に一人で食べ切るのには若干大きめですが、飽きずにおいしく食べ切れる、ほどよい量のおやつを作ることができます。

写真はしっとりめのガトーショコラのような食感の本格的なチョコケーキ。ちゃちゃっと作れるのにきちんとおいしいケーキでした。

そしてこちらも小さいのに本格的なおいしさのキャロットケーキ。

にんじんのナチュラルな甘みとナッツの旨み、そしてスパイスをきかせることで、より複雑で深みのあるおいしさに。

チーズフロスティングの酸味がこれまた合う!

プリンやクッキーも、一人前が簡単に!

スパイスをいかしたかぼちゃプリンも簡単に!シナモンとカボチャの相性のよさを楽しめます。

クリーミーな舌ざわりでとてもおいしく、食べたくなったら手軽にひとりぶんをつくることができるのが魅力です。

こちらはオートミールとレーズンを使ったクッキーで、簡単なのにめっちゃおいしい!スパイスが味に奥行を与えてくれる感じ。

自分はオートミールがなかったので余っていたシリアルを代わりに入れてみたのですが、それでもおいしく仕上がったので、好きな素材でアレンジするのも楽しいですね。

大きめ4枚のクッキーを、あっという間に食べちゃいました。

おいしくつくるためのポイントが随所に!

スパイスの使い方はもちろん、材料を入れる量やタイミングなど、ひとりぶんレシピを完成させるために印度カリー子さんが試行錯誤を重ねられ、その経験をいかしたポイントやテクニックが本のあちこちにちりばめられていました。

自分はシナモン以外のスパイスはあまり使ったことがなかったので、1種類でも複数の組み合わせでも、使い方次第で、おいしいスパイスお菓子を作れることを知って感激!

一人前を手軽に作れることを学べたこと、そしてスパイスに開眼させられた異色のお菓子本でした。