シュトーレンはドイツ発祥の伝統菓子。11月30日に近い日曜日からクリスマスイブまでの、イエス=キリストの降誕を待つアドベントと呼ばれる期間に、少しずつ食べるのが本場の習わしだとか。
数年前に初めてシュトーレンを食べた時、今まで経験したことのない複雑で奥深い味わいにとても驚きました。
おいしい粉にラム酒漬けのフルーツやナッツ、香り豊かなミックススパイスなど、さまざまな素材の味わいがあいまって、熟成されていくシュトーレン。
ちょっと早めですが、今年は11月中旬頃から食べられるように、11月の上旬に手作りしてみました。
今年は手堅く手作りキットを使って
昨年は気合いを入れてマジパン入りのシュトーレンにチャレンジしましたが、あまり上手くいかず残念な思い出だけが残ってしまったので、今年は失敗率の少ないであろうキットを購入。
本格的なシュトーレンには生地の中に芯のようにマジパンを入れます。マジパンを入れる理由は、時間とともに味に深みが増すことや、生地にしっとり感を出すためだそうです。
ただ自分はマジパンの存在感をしっかり残した食感が苦手だったので、今年はマジパンを使わない富澤商店さんのシュトーレンキットを選びました。
キットの基本的な作り方の流れは
○中種をつくる
○本ごね生地をつくる
○本ごね生地に中種を混ぜ込む
○ラム酒付けのフルーツやナッツを混ぜる
○1次発酵、2次発酵を経て焼成する
○焼きたてに溶かしバターを塗ってグラニュー糖をふる
○完全に冷めたら粉糖を振って仕上げる
材料がすべて計量されていることはもちろん、フルーツは最初からラム酒漬けになったものが入っているうえ、あらかじめブレンドされたスパイスミックスも付いていて、箱を開けたら早速作れます。
手順通りになんとか成形し、オーブンに入れる直前がこの状態。15×10cmほどのサイズが2本作れました。
焼き上がったら熱いうちに刷毛で溶かしバターをたっぷり塗ってグラニュー糖をまぶし、その後しっかり冷ましてからたっぷり粉糖をまぶし、ラップでくるんで冷蔵庫で保存。
時間をかけておいしくなるシュトーレンの魅力
大抵1週感後くらいからが食べごろというレシピが多かったですが、このキットだと2~3日後から食べてOKとあったので、早速食べてみました。
マジパンは入れていないけれど、生地はちゃんとしっとり感もあり、ラム酒漬けのドライフルーツの味と香り、スパイスミックスの複雑な香りが感じられとてもおいしかったです。
その後毎日ではなく、数日ごとにスライスして少しずつ食べ進めてみたのですが、10日くらい過ぎたあたりから、ラム酒の風味が「全体にしみました!」という感じの味になってきました。
自分はそんなに味覚が敏感なわけでもないのですが、それでもハッキリとわかるくらいにシュトーレンがおいしく熟成していくのを感じました。
最初に食べた時もおいしかったのですが、やはり時間とともに素材から出た味が全体にまわって、さらに一体感が増しているというか…
できたてではなく、時間とともにだんだんおいしくなるなんて、奥深さを感じるとても素敵なお菓子ですね。
クリスマスを待ちわびながら、一日1枚ずつ…
しかしこのペースで食べ続けると、クリスマスよりずいぶん前になくなっちゃうな…。